『祝婚歌』吉野 弘 – フォトフォリー | ブライダルフォト撮影・ブライダルアルバム作成

『祝婚歌』吉野 弘

人前式では色々な誓いをたて、様々なアイデアで愛を誓います。
実は(すでに先々週のお話ですが)ここでは新郎新婦も読んだことのない、素敵な詩が用意されておりました。
リハーサルでも読まれないこの詩は、涙が出る程心に突き刺さり、ふと温かい気持ちになれる、そんな詩です。
人前式で読み上げるのには勿論最高のポエムだと思いますが、既に結婚されている方々にも読んであげたい、「結婚」の永遠のテーマだと思います。
『祝婚歌』 吉野 弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
・第六詩集(詩画集)「風に吹かれて」
・おしゃべりポエム 風の記憶 著書吉野弘
・続・吉野弘詩集 収録作品
Written by C
20101118.jpg
Photo by J

2010/11/18結婚式スナップ撮影|Written by fotofolly_matsuoka 

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