娘の嫁ぐ日をどれだけ心待ちにしていたことでしょう。
しかし神様は、最愛の娘の結婚式に参列することを叶えてはくれませんでした。
楽しい披露宴も幕を閉じる頃、今では妹と2人きりになってしまった新婦へ、友人からのお手紙が読まれました。
「人は誰でも、いつかお父さんやお母さんとのお別れをしなければならないけれど、それが少し早かっただけ。」
それを受け入れ、快活にそして誰よりも明るい振る舞いができる新婦様の人徳に、私は頭が下がる思いでした。
人よりほんの少しだけお別れをしなければならなかったけれど、きっとお母様はこんな素敵なお嬢様に恵まれ、とても幸せだったのではないかと思います。
「母が気に入っていたんです！」
という紺地のお着物をキレイにリメイクし、とっても素敵なカクテルドレスをお作りになられた新婦の顔には、この日を迎えることができたよ、と天国のお母様に報告できる喜びがいっぱいに溢れていたように思えます。
アルバム用に新婦の幼い頃の写真をお預かりしました。
七五三の新婦とお母様。
お母様の来ている着物は、もちろんお気に入りの紺地の着物です。
娘の手を取る母の笑顔と、ドレスを身に纏い新郎と歩く新婦様の笑顔は、本当に同じ輝きを感じました。
リメイクされてカクテルドレスへと変身した着物は、今後もう一度普段にも着られるように再リメイクされるそうです。
十数年前の記念のお写真と、ドレスに変身した着物のお写真を、うまくアルバムにまとめてお届けしたいと思っています！
written by C

photo by J